荒井優(前札幌新陽高校校長)
「近年読んだ本の中で、一番おすすめしたいと思った本。行き着くのは、あなたにも僕にもこの事態を引き起こす可能性が高いということだ。そして、そうならないためには何をすべきなのか、を実践を重んじてきた研究者としての著者が惜しげもなく披露してくれている。学校関係者はもちろんなのだが、学校で教育を受けて育ってきた人たちにも、ぜひ読んでほしい。」
池田清彦(早稲田大学名誉教授)
「分析は緻密で、断片的なエビデンスを有機的につなげた力業で、並の努力でなし得るところではなく、大川小の事故のレポートとして、これ以上のものは望めないだろう。」
岩崎夏海(作家)
「世の中の人は、とりわけ日本人なら、この問題は知っておくべきだ。それはつまり、この本を読んでおくべき、ということだ。この本は、大川小学校事件の問題の本質を描きながら、同時に読者を含めたほとんどの日本人の問題を描いてもいる。そして、多くの人に「反省」を促している本なのだ。ただ、恐れないでほしい。西條先生は読者の気持ちに寄り添いながら、肯定ファーストで問題の本質を丁寧かつ徹底的に教えてくれている。」
宇野常寛(思想家)
「生き残った私たちがやるべきことは“犯人探し”でも“忘れること”でもない。どうすれば繰り返さないで済むのかを知り、行動することだ。徹底した事実の積み重ねだけが産む本質的な洞察。人間たちの愚かさに唯一対抗できる静かな怒りと粘り強い知性の結晶がここにある。」
澤田智洋(世界ゆるスポーツ教会代表)
「この本は『生存の教科書』だと思いました。これだけ災害を経験している国なのに、被災者でないと、あるいは被災者であったとしても、“生存するための知見”はあまり溜まっていない。ましてや大川小学校のような、ある意味での“失敗の検証”も行われてこなかった為、曖昧なまま過去の経験がなかったことにされている。そんな日本人の悪しき習慣に楔を打つ決定版だと思いました。素晴らしい一冊でした。何度でも読み返そうと思います。」
苫野一徳(哲学者/教育学者)
「これほどにも胸に突き刺さってくるような研究書があるでしょうか。あの悲劇が起こった根本条件、本質構造を明らかにし、それを“反転”させることで、2度と同じことが起こらないよう、再発防止のための理論を作り上げる。大げさでなく、学問史に残る名著だと思います。そう、学問は、このように人びとの役に立つことができるし、またそうあるべきなのだ。私もまた、一学徒として、こうありたい。そう、胸を熱くもさせていただきました。」