いいチームを作りましょうプロジェクト


設立趣旨

 ここでいう「いいチーム」とは、人を幸せにするという本質的な目的からぶれずに、それを実現するための知恵と行動力を兼ね備えている、フラットでしなやかな複数の人からなる有機体を指します。そうした「いいチーム」を作るためには、本質に寄りそうことが必要になります。本質とは、“その最も重要なポイント”のことです。したがって、本質からブレてしまうと、表層的にはうまくいっているように見えたとしても、遠からず失敗という名の坂道を転げ落ちてしまうことになります。

 巨大な力を持つ組織が、人を幸せにするという本質的な目的からブレたらどうなるでしょうか。その力が大きい分だけ、人を不幸にしていくことになります。周りを見渡してみてください。そうした組織はそこここに散見されるのではないでしょうか。

 これは、そこで働いている人を責める、ということではありません。もしかしたら、どの組織にも、多かれ少なかれ理不尽なことはあるのかもしれません。僕も復興支援活動を行う中で、多くの理不尽を目にしてきました。そして、なぜそうした理不尽がまかり通るのかと考えたときに、そこには必然的な構造があることがわかってきました。つまり、誰が悪いということではなく、その構造の中に放り込まれたら、9割方の人がそこに取り込まれてしまい、いつの間にかその理不尽に片棒を担いでしまっているような、そうした構造があることがわかってきたのです。そして社会で起こる理不尽な出来事の9割は、そうした組織によってもたらされる“組織災”というべきものであることがわかりました。

 では、どうすればよいのでしょうか? この問題を解決していくための最初の鍵は、物事の本質を明らかにすることにあると考えます。なぜなら、それを視点とすることではじめて、コンパスをみながら迷わずに進めるように、本質からブレずに、むしろ、本質を意識して、より自覚的に実践していくことが可能になるためです。

 今世の中にはたくさんのノウハウ本が溢れています。しかし、それによって本当の意味で成功する人は増えたでしょうか? 本当によい社会に近づいているでしょうか? 本質から外れてしまったならば、いかなる理論も方法論もノウハウも人を幸せにすることはありません。むしろ確実に人を不幸にすることになるでしょう。また「成功」や「成果」といった結果や、現象の表層をなぞるだけでは、本質的な意味でそれを再現することはできません。

 そうではなく、それをもたらした、現象を根底から規定する本質的な構造を明らかにすることによってはじめて、それに寄り添った実践が可能になり、自身の状況と目的にあわせた形で、再現したり、教えたり、継承したりすることが可能になるのです。私たちは、いいチームの成功事例やときには失敗例をもとに、そうした意味での“本質的構造”を明らかにしていくことで、より多くの人が「いいチーム」を作るための礎を築いていきたいと考えています。また、そのために、講演やシンポジウム、研修、合宿など様々な企画をしていきたいと思っています。

 「いい社会を作りましょう」といわれても、社会という言葉自体がとらえどころがないところがあり、そのために何をどう実践していけばよいのかわかりにくいと思います。いい会社の代名詞ともなった伊那食品工業の有名な社是「いい会社を作りましょう」は、このプロジェクトのモデルにもなった本質的なものですが、会社経営にかかわっている人に限定される側面があります。 

「いいチームを作りましょう」であれば、企業だけでなく、プロジェクト、家族、サークル、学級、PTA、医療チームなどあらゆるチームに当てはまります。誰もが必ず何らかのチームに属しているはずですから、自分のこととして考えられるはずです。そしていいチームが増えれば、その分だけ、いい社会を作っていくことができます。

 ぜひ、こうした関心に共感していただける多くの方々にこの「いいチームを作ろうプロジェクト」にご参加いただければと思っています。未来の子どもたちのために、少しでもよい社会を残していけるよう、ともに「いいチーム」を作り、増やしていきましょう。

 

2015年4月23日 発起人を代表して 西條剛央

 


発起人(共同代表)西條剛央(本質行動学アカデメイア代表/早稲田大学大学院客員准教授/ふんばろう支援基金代表理事/スマートサバイバープロジェクト代表)、新井和(鎌倉投信ファンドマネージャー/横浜国立大学経営学部非常勤講師、特定非営利活動法人「いい会社をふやしましょう」理事)、大久保寛司(人と経営研究所所長)。

発起人(賛同者*五十音順):青野慶久(サイボウズ株式会社代表取締役社長)、石坂典子(石坂産業株式会社代表取締役社長)、糸井重里(ほぼ日刊糸井新聞)、岩田健太郎(神戸大学医学部教授)、岩元美智彦(日本環境設計株式会社代表取締役社長)、江口耕三(NPOいい会社をふやしましょう代表理事/鎌倉 ソーシャルグッドキャピタル㈱ 代表取締役)、樫野孝人(神戸志民党代表・株式会社CAP代表取締役社長)、京極真(吉備国際大学准教授/信念対立解明アプローチ提唱者)、栗城史多(登山家)、達増拓也(岩手県知事)、外所一石(Dr.Franken プロデューサー・コンセプター)、蓬台浩明(都田建設代表取締役社長)、宮城治男(NPO法人ETIC.代表理事)、野田義和(東大阪市市長)、白木夏子(HASUNA代表取締役社長)、矢崎和彦(株式会社フェリシモ代表取締役社長)。


Facebookグループ「いいチームを作りましょうプロジェクト」

グループはこちらです。
(趣旨にご賛同いただける方にはどなたでもご参加いただけます。今後情報共有等で活用していければと思っています。


イベントのご案内

※​これまでのイベントは下記リンクをご参考にご確認ください。


◆ 第一回「いいチームを作りましょう  〜ソーシャルと成果を両立させる金融とボランティア組織の共通本質〜」  新井和宏・西條剛央 合同出版記念シンポジウム) 2015/6/24(水) イベント終了

当日のイベントの様子、感想はこちらに掲載されています。

◆第二回「いいチームを作りましょう【糸井重里編】  〜今,糸井重里さんが考えていることをとことん聞いてみよう。チーム作り、上場、社会設計、そして残していきたいもの。〜」 2015/10/21(水) イベント終了

◆第三回「いいチームをつくりましょう実践編~石坂産業主催 SATOYAMAで共に生きるEXPO~」 2016/4/23(土)、24(日) イベント終了

◆第四回「いいチームをつくりましょう実践編~“ネクスト・ソサイエティ フォーラム2017、500人プロジェクト”を通してエッセンシャル・マネジメントを実践的に学ぶ~」 2017/4/7(金) イベント終了

◆第五回「いいチームをつくりましょう公式イベント「ネクスト・ソサイエティ フォーラム2017」 2017/5/13(土) イベント終了

◆第六回「いいチームをつくりましょう共催イベント「幸せに働くにはどうすればよいのか?(For Eudaimonia)」2018/12/15(土) イベント終了